2022.06.15

43年ぶりに甦った「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」

 有休を取得しましたが天気が良くなかったので、映画を見てきました。作品は「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」。この原典は最初のテレビシリーズ「機動戦士ガンダム」の第15話。1話完結エピソードで、全体的なストーリーの流れに影響しないことから、後年製作された劇場版では完全にカットされました。これを近年のリメイク作「THE ORIGIN」の一部として再構成したのが本作となります。まさか43年を経てあの話を新作として見られるとは。
 地球からジオン軍を排除すべく、大反攻作戦を準備する地球連邦軍。その中核となるオデッサ作戦を前に、ラ・パルマスに寄港中の強襲揚陸艦ホワイトベースに、カナリア諸島北部の島にいる残敵掃討の命令が下ります。アムロはモビルスーツ・ガンダムで出撃しますが、島でザク単機の襲撃を受け消息を絶ってしまいます。その島にはジオン軍を脱走した兵士ククルス・ドアンと、身寄りのない多くの子供たちが暮らしていたのでした。そしてその島には、連邦の侵攻を阻止するための秘密が隠されていたのです。


嬉しさ反面、ちょっと残念なところも?

 感想ですが、正直ちょっと物足りなさが残りました。プラモデルのディテールそのままのMSが動き回るのにはさすがに感動。当時のBGMがそのまま使われたりと、確かにこれは当時の「ガンダム」を今の技術で再現したものと言えるでしょう。そういう意味では一見の価値はあると思います。ただ、MSの重厚感があまり感じられませんでした。開発初期のMSなのに、いくらなんでも派手に動かしすぎです...。
 一方、ドアンがなぜジオン軍を脱走したのか、それを部下たちがどう感じたか、彼が何を目指しているのかなどの描写が不足していて、いま一つストーリーに納得感が持てなかった気がします。元が30分だっただけに、尺は充分にあったはずなので、メリハリがついてなかったというのが全体の結論でしょうか。
 原作者である安彦 良和氏によれば、氏によるガンダムの映像化はこれが最後とのこと。できれば「THE ORIGIN」全編映像化も期待していたのですが...それは叶わなさそうです。

2022.05.30

ノスタルジィ+SF?「TOP GUN : MAVERICK」

 この日の2本目は「TOP GUN : MAVERICK」。私が高校時代に一世を風靡した映画「TOP GUN」の正統なる続編です。まさか30余年経って、新作を見ることができるとは! これは見逃すことはできません。
 マッハ10を突破するプロジェクトを進めるピート・ミッチェル大佐。彼は冷戦下で鉄器を3機撃墜するという軍功を挙げた伝説のパイロット。そんな彼にTOP GUNからの召喚が届きます。それはあるミッションのため、選りすぐりのパイロット達を鍛え上げるという教官の任務。その中には、かつて事故死した僚友の息子がいたのでした...。


映像クオリティはさすがですが、ちょっと現実離れしすぎ?

 あの頃夢中になった世代にとっては、あのオープニングを見せられただけでもう充分かも。前作のキーパーソンが年齢相応で登場し、これが正統な続編であることを意識させてくれます。主役機はF-14からF/A-18E/Fに代わり、凄まじい空中戦の映像の連続。この30年間の映像進化を徹底的に観客に見せつけてくれます。 特徴的な短い時間での連続カット割なども健在でした。
 ただ気になることが2つ。人間ドラマの部分の掘り下げが前作に対してやや不足感があるのと、終盤の展開がSFチックになってしまっている点。特に最後に登場する航空機は「それはちょっとないんじゃない?」と思えてしまい、リアリティの面で大きく印象を損なってしまった気がします。まあこれを米海軍の宣伝ムービーと捉えるならば、愛嬌と言えるかも...?

2022.05.30

期待が大きすぎた?「シン・ウルトラマン」

 有休が取れたものの、妻は仕事だったので一人で映画を見に行くことにしました。1本目は庵野 秀明氏監修の「シン・ウルトラマン」です。前作の「シン・ゴジラ」が素晴らしく面白い出来栄えだったこともあり、期待するなという方が無理ですよねぇ。
 巨大不明生物「禍威獣」が次々に出現し、人類に大きな災いをもたらす近未来の日本。それに対抗するため、「禍特対」が結成されます。しかし、禍威獣は次々に強力になり、人類の兵器では止めきれなくなってきました。そんな時に銀色の巨人が現れ、禍威獣を一蹴します。彼の正体は? その目的は? そして人知れず発生した危機とは...?


リアルな描写が逆に裏目に出た? 何だか不完全燃焼です。

 うーん、題材の難しさが出たかも。ゴジラ以外はリアルさを徹底した前作と異なり、そこからはみ出す部分が多いだけに、何か中途半端さを感じざるを得ませんでした。芝居や映像、ストーリーの繋がりはさすがでしたが、何か爽快感がないというか。人間ドラマの深掘りも少なかったので、物足りなさが残りましたね。
 次は「シン・仮面ライダー」です。

2022.03.06

意外にストンときた「ドライブ・マイ・カー」

 日曜日、妻から「今日はどうする?」と聞かれ、思いついたのは映画「ドライブ・マイ・カー」。以前から「見てみたいね」とお互い言っていました。調べてみるとMOVIX昭島でちょうどいい時間の上映があったので、昼食後に電車で出かけました。
 主人公の家福は舞台俳優。妻の人気脚本家である音との二人暮らしですが、彼らの間には長く続けてきた習慣がありました。一つは家福が愛車の運転中、妻が吹き込んだ相手役だけの台詞を吹き込んだカセットテープを用いて台本を覚え込んでいくこと。もう一つは夫婦のセックスの間に音が頭に浮かぶ物語を口にし、それを家福が彼女に伝えることで脚本の基にしていくというもの。子供を失ってからの再生でたどり着いた平穏な日々でした。ある朝「話したいことがある」と言われて家を送り出された家福が帰宅すると、妻が倒れておりそのまま帰らぬ人となってしまいました。
 二年後、広島で上演される演劇の演出を依頼された家福は、期間中の専属ドライバーとして渡利みさきを紹介され、彼は自分の車を彼女に託すことになります。集まった俳優陣の中には音ゆかりの若手俳優である高槻の姿があり、彼やみさきとの話の中で、彼は妻との関係を改めて見つめ直すことになるのでした。


深読みもできるようですが...そこまでしなくても感じられるものはありました。

 ほぼ3時間にわたる長編です。原作としては村上 春樹氏の同名短編があげられていましたが、映画の内容はオリジナル構成のようです。妻から事前に「内容は難解らしいよ」と言われていたのですが、私的には「ストンと落ちた」感じを受けました。最後のシーンだけは「どのようにしてこうなった?」ちょっと考えさせられましたが...。
 各シーンは丁寧に描かれており、(劇中劇の部分を除いて)不要なシーンというのはないように思いましたが、一方でちょっと無駄に長い部分もあるようにも感じました。個人的にはもう少しメリハリ効かせた方が、見る側の疲れは減ったかもしれません。

2022.02.04

観客への後始末はどうしてくれる?「大怪獣のあとしまつ」

 この日に封切られる「大怪獣のあとしまつ」を見てきました。
 私の感想は「語るに値せず」 。全編が無意味なギャグと下ネタのオンパレード。これだけ豪華な俳優陣を使ってこの出来ですか...。
 これだけひどいものは見たことないなあ。正直、時間とチケット費用の無駄でした。


これは大きな期待ハズレでした。続編は要りません!